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Kreator - (2017) Gods Of Violence

2017/ 03/ 16
                 
k - gov


ドイツのスラッシュメタルバンド、通産14作目の新作です。

私はスラッシュメタルにはあまり造詣は深くなく、それこそ四天王と呼ばれるバンド群ですら、あまり知りません。
では、何故この作品を聴こうと思ったのか?

それはネットにおける宣伝等で、どうやら非常にメロディアスだという事が伝わってきました。
元々サウンドがアグレッシヴでもメロディアスなら、愛聴することができます。
例えばメロデスは割と聴きますし、スラッシュならばTestament辺りは作品にもよりますが、大好きなバンドだったりするのです。

スラッシュメタルに限らずですが、「これがバンドの個性」と世間から評価されている部分を逸脱する、もしくは新しい要素を取り入れるというのは、かなりの勇気が必要となります。
そして、それによって生み出された作品の完成度が、通常より遥かに高いハードルを越えていかねば、評価はされません。
評価が「悪くない」程度では、「良くない」とほぼ同義になります。
ニューメタルやモダンヘヴィネスが流行した際、それに擦り寄っていったメタルバンドの多くがシーンから沈んでいったのを覚えている人も多いでしょう。

なので、興味があると同時のKreatorの新作におけるメロディの導入というのは、そういった要素・危険性を孕んでいるのでは?と思っていました。


アルバムを聴くまでは(笑)


いやー、驚きました。
もちろんポジティブな意味で、です。

とんでもない完成度です。
年初において本年度ベストアルバム候補の登場ですね。
このアルバムが年末のベスト10みたいなのに入らなかったら、今年はとんでもない豊作ですよ(笑)

アルバムにおける勇壮なメロディを湛えた序曲「Apocalypticon」より怒涛のスピードチューン「World War Now」につながるメタルの様式美満載なオープニングでツカミはオッケーです。
オッケーというか、がっちり首根っこ押さえられるぐらいの勢いです(笑)

この1~2曲目に代表されるように、アルバムトータルでドラマ性が半端ない作品です。
このバンドの歴代のアルバムをほとんど知らないので、バンドのカタログで比較はできないのですが、シンフォメタルやエピックメタルが大好きな私が「おおっ!」と思うシーンが矢継早に登場します。
速い曲だけでなく、ミドルテンポやスローテンポなパートでもそれらは登場しますし、かといって狙い過ぎのクサさもあまり感じません。

これにはやはりフィンランド人ギタリストである、サミの存在が大きいのでしょう。
明らかにドイツ産とは違う、北欧の冷気を感じさせるギターフレーズが存在し、それに耳を惹かれるシーンが多くありました。

余談ですが、ドラマ性の演出としては、大きく分けてメロディ先導型と展開先導型の二つがあると個人的には思っています。
プログレサイドだと展開先導型(大胆なテンポ・リズムチェンジやサウンドの変化等)が多いと感じまずが、このバンドのドラマ性はメロディ先導型と思います。
サビ後の大胆なクサメロを挿入して、それに合わせてスローテンポになるとか、そういうやつですね。

そして、凡百のクサメロバンドと一線を画すのが、シンガーであるミレでしょう。
叫びメインの歌唱なんですが、メロディアスでもあるし存在感も凄まじいです。
メロディアスかつドラマ性重視でありながらヘヴィで攻撃的でもある、これほど濃密なサウンドを真正面からねじ伏せてしまう。
正直、ちょっと憧れます。

そして、このアルバムはドイツナショナルチャートにおいて、1位の座を奪取したそうです。
ゴリゴリのスラッシュアルバムがナショナルチャート1位!
日本では絶対にありえないですね(笑)
なんとも羨ましい話ですが、それがフェイクではない完成度であることは間違いありません。